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罪 -11- 睡る司令官

「──だからさあ、もっと発想を自由にしなきゃダメなんだよ」
「はいはい」
「古典をやりたいわけじゃないだろ?もっとこう頭を柔らかくして」
「わかったわかった」
「って聞いてんのかよ」
「聞いてるわよ、うるさいなあ元ちゃんは」

 大きなイヤリングを外しながら麻奈美は溜息をつき、冷蔵庫からコーラの大瓶を出してコップに注いだ。元はそれを受け取り一気に飲み干す。勢いあまってゲップが出た。
「飲みすぎなんじゃない?明日バイト早いんでしょ」
「わかってるよぅ」
 ぶつぶつ言いながら麻奈美を背中から抱きしめ、甘えるように頬を擦り付ける。振り返った麻奈美の唇を塞ぐとシャツの上から胸をまさぐった。
「やだ、元ちゃん酔ってると途中で寝るもん」
「寝ないよう。いいじゃん、やろ」
「あたし、明日は一講から必修なんですけど」
「泊まってここから行けばいいじゃん。どうせ俺もバイトだし、起こしてよ」
 甘えた声を出す。麻奈美はああだこうだと言いながら顔は笑っているので本気で拒否する気はないとみえる。
「まなみ、好き」
 くすぐったそうに笑うと麻奈美は自らスカートのホックを外した。
「あたしも、元ちゃん」

 それはよくある日常のことだった。

 野納元は大学の演劇サークルを主宰している学生である。親元を離れ、大学近くの古く狭いアパートで一人暮らし。狭いが風呂場もあるので特に不便はない。同じサークルの『女優』、麻奈美とは付き合い始めてまもなく1年になる。
 奨学金を貰いながらアルバイトをしてなんとかやりくりしている。
 どこにでもいる、あまり裕福ではない大学生だ。

 時折かかってくる電話とポケットベルの呼び出しを除けば。

 

 翌日朝のアルバイトと昼前の講座を一つ済ませて一旦帰宅すると、留守番電話にメッセージが残されていた。


『帰ったら電話くれる?』
 

 名乗りもしないメッセージ。声だけでその主が誰かはわかる。
 最近、この相手と話すのは少し気が重い。
 いっそ無視しようかとも思ったがそれも出来ず、やむなく電話をかけた。

『やあ、ごめんね』
 口調だけは快活だが声に力はない。いつものことだ。
「……何?」
『この間もずっと待ってたのに来なかった。最近、僕のこと避けてるんじゃない?』
「そういうわけじゃないよ。忙しいんだ」
 学生の忙しい、などたかが知れている。避けているというのは正直、図星なのだ。
 多分、図星なのを判っていて──そして元がそうだ、と言えないのを判っていて言っているのだろう。
「何か用なの?」
『用は色々あるよ。今のうちに話しておきたいことも聞きたいことも山ほどある。僕には時間が無いんだから』
 時間がない、それがこの相手の切り札だ。
 だから、元は少し憂鬱になる。
「──だって、あんたと話すと遺言みたいなことばっか言うじゃん。俺、そういうの嫌なんだもん」
 思い切って正直に言ってみたが、電話の向こうでは笑い声が聞こえた。
『そう言わずに聞いてよ』
 こんなに弱々しい声しか出ないくせに、なんでこんなに強気なんだろう。元が折れるまでこのやり取りは続きそうな気がした。
 彼がもし健康だったら、もっと性質が悪かったかもしれない。


「しょうがないなあ。忙しいけど明日の晩時間作っていくよ。ちょっとだけ」
 

 出来るだけ、恩を着せるような言い方をする。どうせ相手は気にもしていないのだろうけれど。
『そう?待ってるよ』

──何が待ってるよ、だ。

 

 電話を切ると元は大きく溜息をついた。
 電話で話すだけならまだいいのだ。
 本当は会いたくないわけじゃない。むしろ、会いたい気持ちも強い。なんだかんだと避けているうちに、もう半年近く顔を見ていないのだ。
 けれど顔を見てしまうと、嫌でも彼にその時が忍び寄っていることを思い知らされることになる。会わなかった期間が長ければ長いほど、次に会った時にそれは強くなることも知っている。

 だから、会いたいけれど会うのが憂鬱だ。
 

 元はもう一度、大きく溜息をついた。

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 山積みになった書類に丹念に目を通しながら、椎多は欠伸をかみ殺した。
 それを見て柚梨子がほんの少し頬を緩める。

 紫を失った嵯院邸は、すでにいくつもの季節を経ていた。
 伯方をトップとした警備体制も、当初こそ若干の混乱はあったものの賢太が先頭に立って従来の紫の部下たちを取りまとめたこともあり今ではほぼ正常に機能している。伯方は紫が望んだ通り、椎多側青乃側という偏りなくこの屋敷の使用人の中にあった壁を取り払うことに成功し始めていた。

 少なくとも表面上は──
 椎多は落ち着いている。
 だから、忽然と姿を消した紫を椎多が殺したのだなどということに気づく者は誰ひとり居なかった。
 知っているのは、賢太と伯方とそして柚梨子。この3人だけである。Kやみずきすら、紫が姿を消した事に対する疑問こそあれそれが椎多の手によるものだということには気づいていない。それどころか、あまりに椎多が普段通りなので何か内密の仕事でどこかへ行っているのだと思っているのだろう。

 眠らせていた薬の効用が切れたばかりの明け方にだけ、椎多はまるでそのまま発狂してしまうのではないかと思うほどの状態だったがそれがおさまると自分でシャワーを浴び、きちんと着替えて、朝食もいつも通り摂り、そして出社した。仕事も普段通り、会食や来客との面談も予定に沿ってこなした。
 それでも暫くは夜に紫の部屋でぼんやりしていたりすることが度々あったので、自分のしたことを都合よく記憶から消してしまったわけでも本当におかしくなってしまったわけでもないということは判断できた。


 やがて、紫の暮らしていた部屋を片付けさせると──
 もう、話題にも乗せなくなってしまった。

 椎多にとって、紫はその程度の存在だったんだろうか。

 柚梨子はふと疑問に思うことがある。それほどまでに、椎多は平然としていた。


 ううん、違う。
 

 もしかしたら椎多は、こんな事態になってしまった今でも、紫のことを自分が愛していたのだと認めたくないのかもしれない。認めてしまうと、もう自分を支えていられなくなるかもしれないから──
 そんな風に考えるのは、自分にとっても椎多と紫の関係を美化したいからなのかもしれない。


 あたしは、心のどこかで、殺してしまうほどに愛された紫さんを羨ましいと思っている。
 そんな風に愛されたいとまで──

 椎多に気づかれぬよう微かに首を横に振ってその考えを振り払う。
 愛されたいなんて考えてはいけない。あたしはただ、このひとを守ればいいんだから──

 ともすれば堂々巡りになりそうな思考を、電話の着信音がようやく断ち切った。


「はい、社長室桐島です。──少々お待ち下さい。旦那様」
 書類と睨めっこしていた椎多が顔を上げる。
「葛木のお義兄さまからお電話だそうですがいかがなさいます?」
「柾青さんが?……わかった、出よう」
 柚梨子がその旨を内線の向こうに告げるとすぐに回線の転送を知らせる電子音が響く。椎多はふう、と溜息をひとつついて受話器を取った。

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 ノックをしても返事がない。
 そんなことはこれまでも何度かあったので構わずドアを開けた。
 部屋の中はプライベートルームというより会社の応接室のような印象である。
 機能的なデザインのソファとテーブル。部屋の奥には木目調ではあるがオフィスのようなファイル棚が並び、巨大なデスクの上には整然と並んだ何台ものコンピュータと複雑にうねった配線が奇妙な調和を生み出している。
 その空間のちょうど中央あたりに生成りの布を張ったパーティションが置かれ、目隠しされた向こうにベッドが置かれている。そこだけがこの部屋とは調和せずに違和感をこれでもかと主張していた。
 元は迷い無くそのパーティションの向こうへ声をかけた。
「人呼び出しといて寝てんの?」
 覗き込むと果たして、この要塞の司令官はベッドに横たわって目を閉じている。両手は胸の上で組んでいる。
 ちっ、と舌打ちするとその脇に置いてある椅子に腰掛けた。
 ベッドの回りには病院のように様々な医療器具が用意されているが今現在は使用されていないようだ。つまり、今は特に何か治療や観察の必要な状態ではないということだろう。そもそもそんな時にはこの部屋にも住み込みの看護婦が行ったり来たりしている。
 ぼんやりとその寝顔を眺めていると、ぴくりとも動かないその寝顔が一瞬の不安を呼び起こした。
「……ねえ?」
 遠慮がちに声を掛けてみたが反応がない。
「ちょっと、俺だって忙しい中来たんだから起きてよ」
 それでも反応がない。
 椅子から少し腰を浮かせて、顔を覗き込む。
「い……息は、してる、よ、な……?」
 ざわざわとした不安が鼓動を早める。
 と、胸の上に組まれていた左手がにゅっと持ち上がり元の鼻をつまんだ。
「───!」
「はは、びっくりした?」


 ベッドの上の司令官はうっすら目を開けてにっと笑った。
 

「……っ起きてたのかよ…!」
「死んだと思った?」
「あんたさあ、やっていい冗談と悪い冗談あるとか教わらなかったのかよ」
 力が抜けてベッドの余白につっぷすように椅子に崩れおちる。目が潤んでいるのを悟られまいと暫く顔を上げなかった。
 その頭を撫でている手と、何かが押し当てられている感触がする。
「あー、外の匂いがする」
「もう、だから、野郎の頭の匂いとか嗅がないの。変態っぽいからやめろよ」
 押しのけるようにようやく頭を上げると、にやにやと笑っているこの部屋の主と視線がぶつかった。それを慌てて逸らす。
「変態っぽいはないよ。僕は元の太陽の匂いが好きなだけじゃない。酷いなあ」
「あのさあ……それで、何の用?用があるから呼んだんでしょ?」
 動揺を誤魔化すようにぷいっとそっぽを向き、乱暴に座りなおす。


 司令官───柾青はひとつ大きく息を吐くとベッドの上に身を起こし、枕を背もたれにして座った。  
 

「大学生になって交友関係が広がると冷たいもんだなあ。前は黙っててもここに来て外の色んな話をしてくれたのに」
 元は気まずそうに口を尖らせてうつむいている。
「それとも、僕の相手するの面倒くさくなった?」
 そういうのが面倒くさいんだよ、と小さくこぼす。まるで麻奈美と喧嘩した時のようだ。彼女でも面倒なのになんでこんな年上の男が拗ねてるのを宥めなければならないのか。

「今、本当にちょっと寝てた。夢を見てたよ。昔の夢」
「───」

 学校にもろくに行けず、友達ひとりいなかった。
 本を読んだりテレビやビデオを見るだけが外界を知る手がかりだった。
 たまには外の空気を吸いなさいと車椅子で庭に出た時、自分とさほど年が変わらないように見える少女と、その回りを転げまわるように走っている小さな幼い子供が目に入った。
 やがて、屈託無くじゃれついてくる小さな子供は柾青にとって唯一の『友達』となった。
 それが、父が寵愛していた少女とその子が産んだ子供だったと知ったのはもう少し後、彼らが屋敷を去った後のことだ。

「──僕が死んだら」
「だから!」 
 立ち上がって叫ぶと突然の大声に柾青はさすがに少し驚いている。
「──そういう事言うなって言ってるだろ?心配しなくてもあんたみたいな人はなんだかんだでしぶといに決まってるよ。親父さんだって結局あんたより先にいったじゃん」
 驚いた目を再び静かに細めながら、柾青は微笑んだ。立ち上がった元を座らせながらその手を取る。
 その手の感触に元はどきりとした。
 いつもどちらかといえば冷たい手が少し熱い。
 本当は熱でもあるのじゃないだろうか。
「──ごめん。わかったよ、もう言わない」
 微笑んだまま、静かに柾青は言った。


 なんだよ、いつもこちらが困ってもお構いなしの癖に。
 

 その素直さが逆に元の不安を煽る。居心地が悪くて、柾青の手をそっと振り解いた。それだけの動作も、うっかり乱暴にしてしまうと柾青を壊してしまうのではないかとおっかなびっくりになる。
 元はただ、柾青が死ぬところなんか見たくないし想像もしたくない。それだけなのだ。
 それだけのことが、元には柾青に伝えることが出来ない。それほどに柾青は『死』の近くにいる。

 戻れるものなら戻りたい。
 何も知らずに──
 柾青が死の近くにいることも、柾青が自分の腹違いの兄であることも、
 何も知らずにただ柾青の車椅子の周りにまとわりついていた子供の頃に。

 

「今日はもういいよ。ありがとう」
「……調子狂うなあ」
 そう?と首を傾げると柾青は少し身体を捩って腕を広げた。
「帰っていいからもう一度匂い嗅がせてよ」
「やだ。帰る。……また電話してくりゃいいじゃん」
 電話じゃ匂いは嗅げないなあ、と笑うと柾青は腕を下ろし、小さく手を振った。
「おやすみ」

 部屋を出ると、内臓の色んなところがざわざわと沸き立っているような気がした。
 それを抱えたまま、メイドに声を掛けて葛木邸を後にする。
 ミニバイクの振動が、体内のざわつきをさらに増幅しているようにも感じる。
 落ち着かず、じっとしていられない。
 アパートに着くと、急いでいるわけでもないのに階段を駆け上り慌てて鍵を開けた。

「──元ちゃんおかえり。どこ行ってたの?!」

 部屋には麻奈美が座っていた。
 一人で勝手にコーヒーを入れて飲んでいる。
 靴をもどかしく脱ぎちらかすと驚いた顔の麻奈美をいきなり抱きしめ、そのまま畳に押し付けた。
「ちょ、どうしたの?元ちゃん?」
 戸惑いを隠せない麻奈美に構わず、唇と舌を貪る。シャツの裾を捲り上げるようにその乳房を鷲掴みにし、両脚の間に自分の身体を割って入らせた。
「元ちゃん、何なの?やだよ!」
 抗議の声を上げながら麻奈美は抵抗を試みる。
 付き合うようになってから、求める元を拒絶したことは何度もあるが拒絶をこれほど荒っぽく無視されたことなどなかった。今まで感じたことのない恐怖が麻奈美を包む。
「やだ、やだったら!!」
 泣いても元の手は緩むことはなかった。

「帰る」
 顔を洗って涙の跡を拭うと麻奈美は乱れた衣服を直し、点検した。そしてポケットに入っていた鍵を取り出しテーブルの上に置く。
「あたし、当分来ないから」
 元は重たげに頭を上げると漸く事態を飲み込んだように起き上がって座りなおした。
「え」
「あんな元ちゃん、あたし耐えられない。ちょっと頭冷やそうよお互いに」
「待ってよ。悪かった。ほんと悪かった。ごめん。だから」
「それに──」
 麻奈美は泣きはらした目をまだ潤ませたまま、微かに笑った。

「ねえ元ちゃん、今、誰のこと抱いてたの?あたしのことちっとも見てなかったでしょ」

 

 どきん、と心臓の音がした。

「あたし元ちゃんのたった一人の彼女だと思ってたのに。誰かの替わりにあんな風に抱かれるなんて絶対嫌」
「まなみ──」

 誤解だよ、と──
 

 口に出すことが出来なかった。
 あの体中を支配していたざわつき。
 それを麻奈美に全部ぶつけた。
 確かに先刻の元は麻奈美ではない誰かを抱いていたのだ。

 呆然とした耳に、麻奈美の閉じるドアの音が聴こえた。

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 自ら主宰する劇団をいつまでも放置するわけにはいかない、と我に帰ったのは麻奈美が出ていった2日後のことだ。その間元はアルバイトも大学の講義もすべて休んで部屋で一人繰り返し繰り返し答えの出ない自問自答を繰り返していた。

 どうしても、自分を支配したあの衝動を認めることが出来ない。
 まさか、という仮定の形ででもそれを意識することを避けて通った。
 それでは答えなど出るわけがない。

 2日ぶりに劇団に顔を出すと、看板女優である麻奈美はきちんと顔を出していた。元が部屋の中で思い悩んでいる間に麻奈美は劇団のメンバーに元とは別れた旨を報告していたらしい。妙に気遣ったようなぎこちない空気が居心地悪い。
 居心地は悪いけれど、そのうち慣れるだろう。顔を合わせていれば麻奈美とよりを戻すチャンスもあるかもしれない。

 元のアパートは学生向きで、3分の2は元の通う大学の学生、残りは別の大学や専門学校、夜学などの学生が住んでいた。誰かの部屋に集まって酒盛りをするほど仲良くなった者もあれば、殆ど顔も見たことの無い者もいる。
 その日、居心地の悪い劇団の稽古から帰宅した時にすれ違ったのは殆ど面識のないグループに属している方のメンバーだった。
「こんばんわー」
 友人になってしまった者を除いては顔を合わせても無視したり、せいぜいウッス、と会釈する程度の相手が占める中、ほぼ初対面だと思われるこの若者は随分とにこやかに微笑んで挨拶してきた。

 知ってる。

 瞬間的にそう思った。
 根拠はない。
 ただ、この変ににこにこしている多分同世代の男を、自分は知っていると元は確信していた。
 前にここで会ったからではない。
 もっと前───
 
 自分の記憶の中のどこでどう連想ゲームが行われたのかはわからない。
 ただ、最終的にそれは、あのベッドの上の司令官へと到達した。


 何で。

 

「あのさ──」
 すれ違って5秒の間にそれだけ考えて、元は振り返った。
「君、どこの大学だっけ?名前は?」
 男は少し驚いたように立ち止まり、振り返ると首をかしげた。

「梓大二部二年の桧坂です。桧坂紋志」

 

 ああ、そうか──
 やっぱり──

 俺はこいつを知っていた。
 あの、屋敷で。
 俺はこいつに会っていたんだ。
 
 いぶかしげに会釈してアパートを出てゆく紋志を、元はぼんやりと見送った。

 


 

Note

さて​書いてみたらこれ私の好きなタイプのキャラじゃね??と思ってフォーカス当ててみたまさお兄さんの話です。冒頭から出てきた「元(げん)」というキャラはTUSの序盤の重要キャラだったんだけど、人物の関係性を整理していく中で「青乃の腹違いの弟である」というところだけは残さねばならなかったので、ということはまさお兄さんにとっても弟だよね、実はちゃんと連絡取り合ってたとかあってもいいよね、と考えてたら最終的に私のかなり好きな関係に落ち着いたという感じです。TUSの時点でちゃんとBL(ちゃんと??)なのでよーしまさお兄さんと元で兄弟BLだぜ!と突然張り切ってしまった作者ですが(おい…)なんかこうまさお兄さんが病弱すぎて元ちゃんがもし自分の気持ちに気づいても手を出すことは出来ないよね…ってなってる(笑)。元が演劇をやっているという設定はHNモデルの子から引き継いだものなんですが(ご本人も大学のサークルで演劇をやっていた)元の登場でいきなりこの話が現実に近い世界になりました。なお時代的にまだ携帯電話はそこまで普及しておらず、ポケベルが流行していた頃です。嵯院家の車には自動車電話くらい搭載されてたと思う。あとKあたりが椎多の使うあのでかい移動電話をかついで歩いてたかも。しもしも~。

​そして最後に、ついに出てきました。TUSの本来の主人公!!

​なお、この話にはさまってる椎多のくだりですが、その頃あった出来事はSin.co-Main Talesの「呪文」という話に。

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