罪 -26- 贖えない罪
柾青の葬儀から1週間後の週末、椎多は再び別邸へ向かっていた。
もう雪が積もり始めている。
柾青との計画をスタートさせるために、早々に相続にまつわる手続きを進めなければならない。葬儀のあと青乃は別邸へ戻り、椎多は本邸へ戻った。
自分は本邸へ戻る、と言うと青乃はあくまでも落ち着いた様子でこう言った。
──次の休みにまたいらして。もう一度ちゃんと落ち着いてお話したいわ。
「どうします、もしかしたら青乃様、屋敷中に罠とか仕掛けて組長のこと襲ってきたりして」
「うまい仕掛けが出来てたら褒めてやってくれ」
Kは冗談めかして言っているが、屋敷中の罠は大袈裟としても今度こそ椎多を殺すための計画を練っているかもしれない。1週間も猶予があればそれこそ冷静に、計画的に、それを組み立てることは可能だろう。
万が一そんなことになってもいいように、柾青との計画は自分が手を離してもある程度予定通り進む程度の資料は残してきた。多分自分がここから帰れなくなったとしても、壊滅的な打撃は受けないはずだ。船が大きくなれば船長一人にもしも何かがあっても即沈むわけではない。
「あと、伯方さん何か言ってたけどどうすんですか。まだ居てもらわないと困るんじゃ」
「それがな……」
嵯院邸の警備責任者を務める伯方照彦が退職したいと申し出てきた。
紫が伯方に自分の後任を託す時にどういった経緯があったのかは椎多は知らない。ただあの時──椎多が紫を殺してしまったあの時、その後始末は賢太と伯方だけで内密に済ませたと報告を受けた。そして、紫があとを任せると伯方に伝えていたことも。
紫は自分が椎多に殺されるという予感──予感というよりその明確な意図のもと自分が去った後の段取りを組み立てていたのだと、漸くその時椎多は知ったのだ。
俺を殺すことなんかあいつは最初から考えていなかった。
今でもどうすれば良かったのかがわからない。わからないが、あんなに紫を必要としていたのにそれと向き合えなかった自分のせいだということだけはわかる。
あんなに何度も身体を繋げたのに、一度だって心を繋げたことがなかった。
繋がっている時だけ幸せを感じることがあっても離れた瞬間それは幻のように消え去った。
愛しているという実感も、愛されているという実感も、得ることがないまま失った。
これもまた、俺の罪だ。
紫はもう永久に戻ってこない。それが罰だ。
紫の後を引き継いだ伯方はよくやってくれていたと思う。
もともとは葛木家から派遣されてきた警備員を統括するだけの任務だったのが、この屋敷全体の警備責任者になったことで事実上敵対関係のようになっていた者たちも管理することになった。それを大きなトラブルなくまとめあげ、今ではもうかつての所属など全く関係なくなっている。
細かく担当部署を分け、それぞれのリーダーがそのセクションを掌握し、それをまたまとめる者を置き──伯方のポジションは各セクションからの報告を受けて調整したり総合的に指示を出したりするだけというところまで整理してある。ここまで来ればこの"長"にはずば抜けて高い警備や格闘のスキルなど無くても調整能力に長けた者なら誰でも出来る。
──そういう人材を見つけるのはあなたの方が上手いと思いますよ。
伯方は、一般の企業ならもう定年退職していていい年齢だ。どちらにしてもいつまでも務めさせておくわけにはいくまい。例えば、父がもし存命していれば紫はどれほど老齢になっていても側に付き従っただろう──ということとはわけが違う。
──青乃様の様子が、記憶が戻っても落ち着いておられるようなので
──それだけが気がかりでしたので、大丈夫だと思えれば思い残すことはありませんよ。
伯方は終始微笑んで見えるほど穏やかな顔をしていた。
紫ほどではないがだいたい椎多の前ではしかめっ面をしていた伯方のそんな顔を見て、ふと、こいつこんな顔もするんだな、と思う。
「まあ、殺されるような事が無くても明日心筋梗塞だの脳卒中だのでポックリいってもおかしくない年だ。いいかげん隠居させてやってもいいだろう。どちらにしても後任探しは始めよう」
柚梨子も去り、伯方もいなくなったなら──
"組"の睦月や賢太はともかくとして、この屋敷で紫を思い出させる者は実質いなくなる。
こうやって、紫とのことも徐々に過去の古い傷のひとつになっていくのだろうか。
乾いてしまったはずの古い傷がシクリ痛む気がした。
先に青乃を連れ帰った龍巳からの情報通り、途中から雪道になり始めた。Kがぶつぶつ言いながらタイヤにチェーンを巻いている。やがて別邸が近づいてくると雪で景色の変わった、見慣れた筈の高原を眺める。
──妻は前回と同じように笑ってくれるだろうか。
別邸を訪ねるようになってからは毎回ここを通る度、高原を眺めながら思っていた。
しかしそんなことを不安に思う必要はなくなった。
もう、あんな風に笑って出迎えてくれることは二度とないのだから。
門扉の手前で車を停め、Kが手動で寒そうに門扉を開いて車を敷地内に乗り入れ、また手動で閉める。玄関の前で車を降りると『前回と同じように』扉を開けたのはみずきだった。
「くみちょ…だんなさま、おかえりなさい!寒かったでしょ?お茶とかコーヒーよりホットワインかなんか飲みます?」
みずきも紋志も、そして龍巳も。
以前とどこも変わっていない気がした。
まるで、青乃の記憶が戻ったこと自体が自分が見ていた悪夢だったのではないかと錯覚するほど──
居間に通される。この館の女主人は窓辺に立ってレースのカーテン越しに外の雪景色を見ていた。振り返った顔は、薄く微笑んでいるように見える。
「おかえりなさい」
「……ただいま」
「雪がこんなに積もっている時期に来たのはほんのこどもの頃以来だわ。でもその時だって雪遊びの相手は乳母がわりのメイドだった。せっかく遊んでくれてるからってこども心に気を使って言えなかったけど、やっぱりこども同士で雪遊びしたいと思っていたの。本当にわたしには友達がいなかったわ」
独り言のように言いながら窓から離れてソファに腰掛け、夫にも座るよう促した。
みずきがホットワインを運ぶ。ホットグラスのひとつを手に取ると、青乃はそれを熱そうにすすった。
「このホットワイン、みずきが作ったのよ。あなたには甘いかしら」
椎多もひとくち運ぶ。確かに甘いが、酒だと思わなければなるほど旨い。
うまいよ、と声をかけるとみずきはえへへ、と嬉しそうに笑った。
一見、以前と変わらない穏やかな空気が流れていると錯覚しそうになる。
しかし、実際にはぴんと張り詰めた緊張感で充満している。
「ねえ紋志、今日のディナーは何て言ってたかしら」
「猪肉のシチューです」
「あら楽しみなこと」
椎多ひとりが針の筵に座らされているような気分で居心地悪くしていると青乃が静かに立ち上がった。椎多が腰掛けたソファの後ろへ回り身を乗り出して椎多の耳元に顔を近づける。
「お食事前に少しお話しましょう。いらして」
ドキリとしてその姿を目で追うと、青乃は扉で振り返り目くばせをした。
──ついて来い、と?
席を立つと龍巳とKがそれぞれの主人に従おうとするがそれを青乃は掌で制した。
「悪いけどあなたたちはここにいて。彼とふたりきりにしてちょうだい」
「でも──」
「K」
椎多が小さく首を横に振っている。Kから見れば青乃は危険人物であり目を離せないと判断するのは間違いではないが、ここは自分も他の誰かに立ち会わせたくはない。
青乃に先導されてたどり着いたのは、本館とは離れのような構造になっている棟だった。扉を両手で開くと、そこはがらんとした広間だった。明治だか大正の頃に当主が客人などを呼んでパーティなどを開いていたのだろう。
椎多はこの屋敷の図面は頭に入っている。
今はダンスホールのような広間だが、椎多がここを買いとる前はここは大量の蔵書に埋め尽くされていたのだ。
「ここは──」
青乃は広間の中央まで進むと椎多を振り返った。まだ午後の早めの時間だが、冬の日はすでに傾きかけている。暖房のきいていない室内の空気は冷え切っていて、差しこむ日差しの温かさなどまるで太刀打ちできない。
「以前は本が傷まないように窓が塞がれていたの。だから、ここはいつも夜だった」
青乃が言葉を発する度、その口元から白く曇った息が漏れる。
「あのひとはこの夜の部屋の住人だったの」
椎多も一歩、広間に入る。窓からまだ日は差しているが、とたんにここが夜であるかのような気がしてくる。
あなたは信じないでしょうけど、
わたしはあのひとに抱かれたことは一度もなかった。
わたしが男性と肌を合わせることそのものを恐れていると、あのひとは知っていたから。
それでもわたしはあのひとと隣で寄り添っているだけで幸せだったのよ。
「教えて欲しいの。あのひとを殺したのは何故?」
ごくり、と喉が鳴った。
俺が殺したわけじゃない。
命令したのも、俺が知らないうちに紫がしたことだ。
しかしそれを青乃に知ってもらったところでどうなると言うのだろう。
紫がそう命令しなければ──俺はきっとその男だけじゃなく青乃も殺していた。
「嵯院椎多の面子を潰されて、恥をかかされたから?」
首を横に振る。
「俺がどうしても手に入れられないおまえの心を手に入れたその男が妬ましかったんだよ」
青乃は一瞬激痛に耐えるような顔をしたが、顔を上げた時にはそれは元に戻っていた。
「わたしが邨木を殺したいと思ったのと同じね」
微かに音を立てて何かが床に落ちた。
青乃が手元に持っていた何かを椎多に向かって放り投げたのだ。
目を凝らして見ると──それは小さなナイフだった。
「わたしはあなたの妻でありながらあなたの子を殺し、別の男を愛し、無数の男たちにこの身体を抱かせて、そしてあなた自身も殺そうとした女よ。抹殺するには十分でしょう。わたしはあなたとの結婚を拒否することも、すべて失って絶望しても自分の命を絶つことも出来なかった。いっそ殺してと誰に頼んでも殺してくれなかった。だから」
音も立てずに青乃は近づいてくる。自分で投げたナイフを拾うと刃の部分を持って柄を椎多に差し出した。
「あなたが殺して。あなたの手で」
差し出された柄を握る。
青乃が目を閉じる。
しかし──椎多はそれを、ぽい、と投げ捨てた。目を開けた青乃がじっと椎多の目を見上げている。
「どうしても殺して下さらないというの」
「罪人が罪人を裁くことは出来ないよ」
さきほどまでナイフの刃を握っていた青乃の掌に、細い血の線が浮かんでいる。その手をとり一筋の切り傷に唇を当てると青乃はびくりと手を引こうとした。が指先でかろうじて捕まえる。殺せ、と言っておきながら手を取られると恐怖を感じる。それはまだ生きていたい証だ──
「もう俺はおまえに愛してもらおうなんて無茶なことは望まない。それだけのことをしてきた自覚はある。ただ」
俺はおまえに生きていて欲しい。
生きて、笑っていて欲しい。
冷えた空気に呼応して冷え切っていた椎多の指は、捕らえた青乃の手の暖かさによってかすかな痛みを伴い痺れている。
「ひどい人ね。わたしをこんな地獄に突き落としておきながら、まだ笑っていろというの」
「そうだな、ひどい話だ。だからおまえは他の人間じゃなく俺に仕返しをすればいい」
「わたし──」
青乃が捕まえられていた指先を一旦振り払い、逆に椎多の手を握る。
「あなたに仕返しをしたり誰かに八つ当たりしたところで傷が癒えたり留飲を下げたりはできない、自分の罪が膨らむだけだってわかってしまったのよ」
「──」
「あなた、わたしはあなたを一生許さなくていいって仰ったわね」
まばたきをするように小さく頷く。
「そうします。わたし、死ぬまであなたを許さない。あなたがわたしをどんな風に蹂躙したのか、わたしから何を奪ったのか。わたしがどれだけ怖かったか。絶対忘れない」
青乃が握った手に力をこめた。伸ばして整えた爪が食い込む。
「あなたが本当にわたしを愛しているのだとしても、絶対にわたしはあなたを許さない。それでよろしくて?」
ああ、とだけ答えて椎多は目を閉じた。
青乃の手は痛むほど自分の手を締め付けているのに、その暖かさが冷えた指を温めている。
青乃は大きくひとつ息を吐くと椎多の手を離し、横をすり抜けて出口に向かった。
「でも発作的にあなたを殺したくなるかもしれないわ」
「言っただろう、おまえには殺されても仕方ない」
ふふ、と笑いを零し扉を開く。広間は十分寒かったのに、格段に冷たい空気が一気に流れ込む。
扉に手をかけ、広間をもう一度振り返る。
ここはもう書庫ではなく、
ここはもう夜の部屋ではない。
この部屋の住人はもう──いない。
「──ひとつだけ教えてくれ」
鍵を下ろしながらぽつりと言うと、青乃は閉じた扉を振り返ることを拒絶するように前を向いたまま足を止めた。
「記憶を失っていた時間のクッションはあるにしても、おまえは全部思い出してもどうしてそんなに落ち着いていられるんだ?」
わたしがわたしに起こった悲劇を全部忘れていた間、
あなたは本当に優しかった。
それは義務で、贖罪で、受刑者としての態度だったのかもしれない。
すべてを思い出した時に、きっとわたしは気づいたの。
あなたはわたしを食らい尽くす魔物などではなく、ただの人間だったのだということに。
もしもあなたがまた魔物に戻る時がきたら、
ただあなたに怯えて震えているのではなく。
あなたに怯えて他の者に当たり散らすのでもなく。
今度こそわたしがあなたを殺してあげましょう。
そしてわたしはわたしの罪を裁きましょう。
でもわたしのその決意はまだ、あなたには教えてあげない。
「さあ、知らないわ」
一歩足を踏み出す。
雪がまたちらついてきた。
「猪のシチューはあなたまだ召し上がったこと無いんじゃなくて?新鮮だからくせもなくてとても美味しいし温まるのよ」
「そうか。それは楽しみだ」
青乃はつん、とすまして本館の扉を開いた。
罪 -Epilogue-
「ここ、避暑地としてはいいけど、レジャー施設など近くにないから若い人には退屈でしょう?」
バルコニーからは青々とした高原が見渡せる。この景色はもう何十年も変わらない。
「たまには良いですよ。"何もしない"をしにきたって感じです」
わざわざ年若い孫がこの別邸に尋ねてきたということは、いよいよ自分の人生も終わりに近づいているのかもしれない──と青乃は思った。年老いた身体をゆっくりと蝕んでいった病と戦うことはすでに放棄し、緩和ケアに切り替えてこの懐かしい別邸に居を移したのは今年の雪が消えた頃だった。
バルコニーの窓扉が開く音がして振り返るとスーツ姿の中年の男が顔を覗かせている。
「お母さん、体調良さそうですね」
「あら英悟、珍しいこと。忙しいんじゃなくて?無理しなくてもいいのに」
そろそろ身体が冷えますよ、と男は母親の車椅子を押し、室内へ招き入れた。
「今ね、修さんの店と提携して新しいコンセプトの店を考えてるんですよ。それが出来たらお母さんにも見てもらいたいな」
「まあ素敵ね。修さんのお料理、久しぶりに食べたいわ。一度ご夫婦でここへ招待しようかしら」
「いいですね。スケジュールを訊いておきましょう。藍海さんもお母さんに会いたいと思いますよ」
「おばあさま!」
ドアが開いて中学生の孫娘が飛び込んできたかと思うと祖母の車椅子の足元に駆け寄った。それに続いて英悟の妻も顔を出し挨拶をする。普段はがらんと静かな居間が、明るい声で賑わっている。
その光景を、桧坂紋志は部屋の隅に立って眺めていた。
紋志は長らく青乃のもとを離れていたが、青乃が病に伏してここへ移ったと聞いて再び戻ってきていた。
紋志が離れている間に、青乃と椎多には"息子"が出来ていた。
詳しくはあえて聞かずにいるが、椎多の友人の子だという。父親は失踪し、母親は事件に巻き込まれて死んだ。両親を失った幼い息子──英悟を、二人は養子に迎えた。成長した英悟は結婚し、その長男がもう十八歳になったところだ。
血は繋がらないとはいえ息子夫婦と孫たちに囲まれて青乃は笑っている。
少女の頃、血の繋がった家族はいても家族として成立しておらず、いつも孤独で泣いていた青乃の小さい姿を思い出す。
──もう彼女は孤独じゃない。
「あれ、父さんは帰ってないの」
「あのひとまた何か新しい事業がどうとか言って最近は新しく買ったマンションに入り浸りよ。仕事だ何だと言ってまた若い愛人でも見つけたんじゃなくて?いいかげんおとなしく隠居すればいいのに。付き合わされる桂がかわいそう」
病魔のせいで痩せ細っている以外はまるで余命宣告されているとは思えない明るい顔で青乃は笑った。
「誰が新しい愛人を見つけたって?」
「あら噂をすれば」
完全に白髪となり、いかめしい老人の顔になった椎多はああ疲れた、長時間ドライブはこたえる、などとぶつぶつ言いながらメイドの運んできた冷たい茶をトレイから直接受け取って一気に飲み干している。
「英悟、ちょうどいい。この資料を見てくれ」
「ちょっとあなた、みんな休暇で来てるんですよ。ここで仕事の話をしないでちょうだい」
青乃に釘を刺されて肩を竦めると椎多はすごすごと取り出しかけた資料を再びしまった。
『家族』たちが笑っている。
紋志は彼らが到着する前、青乃が語った言葉を思い出していた。
──紋志。
わたしの罪は贖うことができたのかしら。
わたしのような人間でもこうして家族を得て、人生の最後に笑っていられるのは。
わたしの罪が赦されたということなのかしら。
いいえ。
英悟の存在は今でもわたしと彼の罪を目の前に突きつけてくる。
消えてなくなる罪などないと。
それでも英悟はわたしたちを救ってくれた。
裁きながら赦してくれた。
──だからわたしは、幸せなのよ。
夏の遅い夕暮れもそろそろ夜に向かっている。
「みなさま、ダイニングへどうぞ。お食事のご用意が出来ましたよ」
メイドが声をかけると家族が一斉にそれを振り返る。それが可笑しくてまた笑う。
紋志は笑い声を聞きながらそれを見送る。
そして高原の夜の冷えた風が入り始めたバルコニーの窓を──
ゆっくりと、閉じた。
the End
Note
完!!!!!!!!!
26編にわたるTUS再編、ついにエンドマークを付けることができました……!!書き直しを始めた時点からでも20年近く経ってますね、間10何年か完全にストップしてたわけですが。ここに移行し始めてから「よし!こっちを先に完結させてから他のものを書こう!」と決めて着手したら早かったです。我ながら早かった…。もちろんオリジナルではあった筈の展開とか人間関係とかをざっくり切ってだいぶシンプルに抑えたということもあるんだけどすっきりしました。
エピローグで、青乃と椎多はけっこうな老年になるまで健在だったことを書いているんですが、Sincoの方ではさすがにここまで書く予定はありません。英悟を養子に迎える話は用意してあります。
Kはこの頃まで結局ずっと付き合わされてるみたいです。良かったね。
そしてSincoに出てくるあの人はどうなったの?という件についてはまだこれから書くことなので秘密です。
英悟の従姉にあたる藍海ちゃんとその夫になる人の話はもしかしたらどこかで書くかもしれません。
老いてから最後にまた青乃のもとに戻ってきた紋志ですが、まあ、多分ユースケはどっかであっさり病死か事故死したんだと思います(長生きしなさそうだもんね彼…)その前に別れてるかもしれんしな。
は~、ともかくこれをひとつ完結まで持ってこれたことでなんかすごい肩の荷が下りました。ありがとうございました。