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プレゼント

 街が浮かれ始めている。

「やっぱり就学前男児が何をもらって喜ぶのかさっぱりわからん」
 例によって定休日の『藍海』のカウンターで椎多は頭を抱えていた。今日は隣にKも座らされている。
「馬とか外車とか別荘とかじゃないことは確かっすけどね」
 冗談で上げた候補をメモのように覚えていて皮肉ってくるKを横目で睨みつけると椎多はカウンターの中の板前に目を移した。
「辻井さんとこは修が小さい頃どうしてたんだ?」
 突然水を向けられた辻井は何故か狼狽えた顔をしている。
「そんなのがわかってたら離婚されてませんよ」
 ああ、そりゃそうだな、と口の中で呟くと頬杖をついて溜息をついた。
 辻井は家庭を顧みずに板前の仕事に熱中するあまり、ついに離婚されてしまっている。

「女にやるクリスマスプレゼントだったらいくらでも思いつくのにな。宝石とか、ブランドもののバッグとか、香水とか」
 夏の始めに4歳の誕生日を迎えた英悟には自転車を買ってやったのだがその時も相当悩んだ。もうネタ切れだ。
 もう相手にするのをやめたのか、Kは目の前に置かれた煮物を旨そうにぱくぱくと口に運んでいる。


 すでに暗くなっているとはいえ、まだ周辺の会社は定時になるか否かの夕方だ。店の外をちらほら人が通っている気配がし始めている。電光の看板も暖簾も出していないし『定休日』の札を掛けているというのに、店内の電気が灯っているせいで時折「やってる?」と覗いてくる者もいる。

 そんな定休日然とした入口の引き戸がまたからりと開いた。

「腹へったあ……あ、嵯院さんだ。いらっしゃい」


 ずかずかと入ってきたのはブレザーの制服を纏った中学生だった。
「おう、修。また背が伸びたんじゃないか」
「毎日伸びてるよ。膝が痛くってさ」
「修、お客さんだぞ。タメ口はやめろ」
 椎多は手を振っていいよいいよ、と言う。そういうことは別に気にならない。

 辻井の息子、修はこのところ毎週のように定休日のこの時間に顔を出している。自然と定休日の常連である椎多ともよく顔を合わせていた。
 両親が離婚して母親と暮らしている修だが、この店の近くにある私立の中学に通っているせいか定休日には部活の後にここへ立ち寄るようになったという。子供なりに気を使って営業日には顔を出さないようにしているようだ。
「つくっていい?」
 勝手知ったる様子で鞄を置きコートと制服のブレザーを脱ぐと腕まくりをしながら厨房に入っていった。
 修は父親に影響されてか料理に対する興味が高まっているようで、こうして訪ねてきた時にはたいてい自分用の夕食をそこにある食材を使って自分で作っている。辻井も、息子が料理に興味があるのが嬉しいらしく、食材の扱い方や包丁の使い方などを後ろから細かく指導している。その光景を椎多は頬杖をついて見ている──というのが最近のよくある場面だった。

 食べ盛りとはよく言ったもので、超特盛の丼を自分で作り、それを持ってカウンターに座り食べ始めたと思えば驚く速さで完食した。ゆっくり味わって食え、食材の味をちゃんと感じろなどと父親が注意してもそこは中学生の食欲が勝つらしい。

「修は親父のあとを継ぐのか?」
 腹いっぱいの丼飯を完食した修は大きな湯飲みで茶を旨そうにすすりながら椎多に目線を移した。
「継ぐって言ってもここ女将さんの店だし……だいたい父さんみたく厳しい板前修業したいわけじゃないんだよね」
「根性無しなんですよ」
 うるさいなあ、とカウンターの中の父親に毒づくと修はにっこり笑った。
「将来とかわかんないけど、料理作るのは好きだよ。家で僕が作るって言うと母さんはなんかちょっと嫌な顔するけど」
「そりゃ別れたダンナみたいになって欲しくないからだろ」
 椎多も面白げに笑っている。

「そうだ修、おまえ幼稚園くらいの頃ってクリスマスに何貰ったら嬉しかった?サンタにお願いとか書いただろ?」
「クリスマス?ああ、英悟にプレゼント何あげるか考えてるの?早いね」
「これから忙しくなるから考えてるヒマ無くなるんでな。さっぱりわからなくて困ってるんだ。ヒントをくれ」
 何貰ったら嬉しい、には答えず修は顎に手を置き大袈裟に考えるポーズをした。
「うーん、今だったら人気のゲームキャラのグッズとか、ヒーローの変身おもちゃとか?でも普段から欲しがるものみんな買ってあげてるんだったら特別には喜ばないよね」


 なるほど、そう言われればそうだ。おそらく修が考えているほどには欲しがるものを全て与えているつもりはないが──欲しいものが手に入れられないからこそ手に入った時の喜びがひとしおなわけで、そうしてもらったプレゼントは特別なものになるだろう。何でも手に入っていたとしたらそれはただの日常だ。そうなると、たまに手に入らなかった時に落胆や怒りを感じることになる。

 椎多の父は何でも欲しいものを買い与えてくれる父親ではなかった。欲しいものがあるなら自分で稼げるようになってから自分の稼ぎで買え、稼げるようになるまでは親に借りているのだと思えと幼い頃から──それこそ今の英悟くらいの頃から言われていた。今思えば自分の子に借りていると思えとは随分な言い草だなと思うが、買い与えられたものの返還や支払を求められたことは実際には無いので心構えの問題だったのだろう。
 与えられることが当たり前だと思わせてはいけないな、などと考えていると修は何かを思い出したのかくすくす笑い始めた。

「そうだ、幼稚園の時にサンタさんにお願いって書いたよ。思い出した。『パパが帰ってきますように』って書いたんだ」

 カウンターを見ると当の"パパ"は厨房の奥の方へ引っ込んでいて、聴こえていないようだ。
 修はパパだって、ウケるわー、などと笑っている。クリスマスごろといえば料亭でも年末で一番忙しい頃だ。辻井も帰宅すら出来ない日も続いたりしていたのだろう。今はこんな風に笑っているが、寂しかったのだろうな──

「嵯院さん一生懸命プレゼント考えて、いいパパじゃん。他の子どもが何を喜ぶかじゃなくて英悟が何を喜ぶかなんだから、もうちょっと頑張って考えてみたら?」
「──生意気言いやがって」


 ちょっといい事言っただろうと言いたげに得意顔の修に指をはじくポーズをして椎多は苦笑した。

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「で、結局何にするか決まらなかったんすね」
 『藍海』からの帰りの車を運転しながらからかうようにKが言った。
 椎多はうーん、と曖昧な相槌を漏らしながら窓の外を見ている。


 すでに日はとっぷりと暮れてはいるが、まださほど遅くない時間だ。

 嵯院邸が近づいてくると周囲も閑静な住宅地である。車通りも人通りもさほどない。行く先の左手に見えるこんもりとした茂みはこのあたりの憩いの場になっている公園である。その手前の信号で停車した時、公園の茂みの陰から出てくる人影が見えた。


 その人影は──歩道に立って、信号待ちしている椎多の車をじっと見ている。


「憂也、あいつをちょっと通り過ぎたところで停めろ」
「え、でも」
「いいから一旦停めろ。勘違いならそのまま出せばいい」
 椎多の声に緊張が走っているのを受け取ったKは自分も緊張して指示通りにする。

 人影──コートを纏った長身で体格のいい男だ。


 通り過ぎたところで車を停めると、男は車を目で追うようにして振り返り、ゆっくりとこちらに向かって歩いてきた。手に何か持っている。
「ちょっと──見てきますね」
「気をつけろ。あいつ」

 あいつ──


 『カイタニユウヒ』だ。
 鴉が、『オレの男』だと紹介した。
 以前にも何度か、繁華街で椎多のことをじっと見ていた──

 Kがハザードランプを点けて車を降りる。特殊警棒を手にしている。
 『ユウヒ』は一歩一歩近づいてくる。
 顔の表情まで見えるところに近づいた。
 それを見て──
 椎多も車のドアを開ける。
「組長、車に乗ってて」
「いや」


 『ユウヒ』は車から降りてきた椎多に視線を移すと──

 にっこりと微笑んだ。

 これまで会った時の『ユウヒ』は、どこか頼りなげで不安そうな、少しぼうっとした顔をしていたが、今向き合っている『ユウヒ』の貌にははっきりとした意思のようなものが見える。


「──何の用だ」
 極力抑えた声でそう訊ねると『ユウヒ』がゆっくり、右手にぶら下げていた紙袋を持ち上げ、差し出した。途端にKが椎多を庇うように移動し、椎多の代わりにそれを受け取る。
 Kが警戒しながら紙袋の中を覗くと、クリスマスラッピングが施された小さな包みが二つ。
 ちらりとそれを確認し訝しげに『ユウヒ』に視線を戻した時には『ユウヒ』はすでに数歩遠ざかり、公園の茂みへと消えようとしている。

 姿が見えなくなる一瞬前に、よく通る声が聴こえた。

「メリークリスマス」

 何かのスイッチが一斉にオフされたように──

 頭の中が真っ白になり、

 耳に入るすべての音が消えた。

 身動きが取れない。

 『ユウヒ』の姿ももう見えない。

「組長、とりあえず車に戻って下さい。これ、悪いけど中確認します」
 Kに無理やり車中に押し込まれたが、その間も椎多は茫然としていた。


 動悸がする。
 これほど寒いのに、額に冷や汗が浮かんできた。

 運転席のドアが開き、Kがそこへ乗り込む。そして大きく振り返り、後部座席の椎多にさきほどの紙袋を差し出した。
「組長すんません、これ……」
 何故か申し訳なさそうなKの声音に我に返ったようにそれを受け取る。


 ラッピングを解いた中は──

 ひとつは、内側にボアのついた革の暖かそうな手袋。
 そしてもうひとつは、小さな手にちょうどいいくらいの小さな丸いフォルムのカラフルな車のおもちゃだった。


 手袋を手に取る。自分の指が震えていることに気づいた。
 ゆっくりと、震える指をその手袋に通してゆく。
 ぴったりと手袋に収まった両手で椎多は自分の顔を覆い、そのまま俯いた。

 俺の指がいつも冷たいことを。

 あいつも知っている。

「英二───」

 顔は全然違う。体格も違う。だが、あの声は間違いなく英二だった。

 何故だ。
 何で生きてる?
 なんでそんな顔になってる?
 おまえは今も、鴉といるのか?

 最初から鴉と組んで俺を騙していたのか?


 英悟が生まれたことも、
 それを俺が引き取ったことも──
 おまえは知っていたのか?
 それなら何故、今まで──

──クリスマスなんか二度と来ない。

 あの日言わなかったメリークリスマス。

 

 ああ、そうか。
 英二はもう今度こそ、
 本当に二度と自分の前には現れないつもりだ。
 最後の言葉を形づくった口の動き。優しく穏やかな目元。
 その一瞬だけ、『ユウヒ』の貌が以前のままの英二に見えた。

 もしかしたら、今すぐに追えば捕まえることができるかもしれない。
 しかし──
 椎多は追うことはしなかった。

 顔を覆った掌から新しい上質な革の匂いがする。


「組長……出していいすか」
 Kが心配そうに振り返り声をかけた。
「……ああ。頼む」

 それだけ言うと椎多は大きく深呼吸し、手袋を外してそれを握りしめた。

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「──いいの?」

 茂みの向こう、公園内の遊歩道に備えられた古い木のベンチに座ったまま、振り返りもせずに鴉は言った。

 雄日がその隣に一旦腰掛ける。ポケットの中で握っていたホットの缶コーヒーを手渡しながらその横顔を見ると、雄日は穏やかにうっすらと微笑んでいた。

 缶コーヒーを開ける音だけが夜の公園に響く。

 駅方面からのショートカットルートなのだろう、時折人が通る。

 この高級住宅地でも車でなく公共交通機関で通勤する人などいるのだな、などとどうでもいいことが頭に浮かんだ。

「つきあってもらってごめん」

「──椎多の新しい恋人はいい人そうだね、善良で」

「うん」

「仕返ししたくなったりしない?英二君にあれだけのことをしておいて、新しい恋人とよろしくやってて、英二君の縁の人たちと何事もなかったように仲良くやってて、のうのうと幸せにしてる椎多に、さ。むかつかないの?」

 わざとからかって煽る鴉の言葉を、口ごと塞ぐ。長々と応えてからようやく離れると鴉はぷっと吹き出した。

「ちょっと、まだ人通ってるよ」

 立ち上がり、雄日の手にある缶コーヒーを取り上げるとその手を握って引っ張る。

「帰ろっか、雄日。このへんでウロウロしてるの梟さんにバレたらまた怒られる」

「うん」

​ 雄日も立ち上がり、公園の反対側に停めてある車へと足を向けた。

​ 椎多の車が去った──嵯院邸のある方向を、ふと振り返る。

 今日一日、椎多の行動を追跡していた。

 顔を見ればわかる。

 今の椎多は、とても穏やかで、満たされている。

 椎多にあんな顔をさせることは、英二には出来なかった。

 だから。

 おまえにはこのまま幸せになって欲しい。

 そして──

 英二の、いや、

 有姫の息子を幸せにしてやってくれ。

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 考えてみれば、この屋敷でうちうちの者だけのクリスマスパーティなど初めてではないだろうか。


 はるか遠い記憶のヴェールの向こうで、小さなクリスマスツリーが輝いている。多分あれは、リカがいて──親父や紫もいた頃のことだ。細かいことは覚えていないが、無性に寂しい気持ちとそれでいて安心した気持ちとそして嬉しい気持ちがふんわり蘇る。
 はっきり覚えている一番古い記憶の中ではクリスマスは父に連れられて大人ばかりのパーティでもくもくとチキンに喰らいついていたことくらいで、この屋敷でパーティなどした覚えがない。外の店で賢太たち組の連中や悪友どもとバカ騒ぎしたり、父の後を継いでからはやはり仕事上の付き合いであるクリスマスパーティ、あるいは忘年パーティに出ていた。
 ここ数年は──去年茜が言った通り、クリスマス当日は特別なことは何もせずただ茜とぼんやり寛いだりクリスマスのことを忘れて仕事していたりしていたものだ。

 だからなのか、使用人たちは初めてこの屋敷でパーティをするぞと張り切ったらしい。普段はシックで落ち着いたダイニングが大パーティ会場に変身していた。
 厨房の連中も張り切って、鶏ではなくちゃんとした七面鳥の丸焼きを作り、どこの来賓を迎えるのかというくらいのフルコースを作っている。もちろん、幼い英悟には英悟専用の"それらしい"フルコースだ。

 "親戚同然"の付き合いになってしまっている手前、渋谷翠と娘の藍海も招待した。翠の店『藍海』は営業日のため翠は辞退しようとしたが、板前である辻井が一日くらい女将不在で自分一人でも大丈夫だと送り出したのだ。もっとも、仮に定休日だったとしても辻井本人はこんな席などには出て来ないだろう。辻井の息子、修にも声は掛けてみたが部活の仲間と誰かの家でパーティだと言って断られた。

 そして今年もまた、差出人不明で花が届いている。
 クリスマスと椎多の誕生日には毎年必ず届く花を見ると、柚梨子は今も元気なのだなと確認できる気がした。

 豪華なクリスマスディナーが終わると、その間にメイドたちが可愛らしく飾りつけをしておいた英悟の部屋へ引き上げる。ダイニングに向かう前は普通だった部屋がたっぷり飾りつけされているのを見て英悟は大喜びしている。


 椎多は結局、子供向けの電車模型セットを選んだ。レールをいっぱいに敷いて上機嫌の英悟を見てほっと胸を撫でおろす。
 そして茜がプレゼントしたトイカメラで部屋中走り回っては写真を撮り回っている。カメラを持って走り回る英悟を追いかけて遊んでいた茜が足を取られて派手に尻もちをついたのを見て、部屋中の──メイドを含め──者たちが一斉に笑う。
 そうかと思うと藍海がお姉さんぶって英悟の遊び相手になってやったりもしている。青乃は翠とずっと談笑している。

 椎多はそれを部屋の隅で眺めていた。全員が楽し気に笑っている。


「運動不足かな、脚に来ましたよ」
 茜が照れ臭そうに笑いながら椎多の隣に腰を下ろした。ふふ、と笑いを落とすとシャンパンを手渡す。
「年に1回くらいはこういうのもいいな」
「俺がものごころついた頃は家の中はもうそこそこギスギスしてたから、クリスマスの記憶って幼稚園とか学校のお楽しみ会くらいしか無くて。英悟にはきっと楽しい思い出になるでしょうね。いいなあ」
「どうせ10年もすりゃ友達と遊ぶ方が面白くなって家でパーティやるって言ってもほっといて出かけるようになるけどな」
 それでもですよ、と茜が笑う。カーペットの床についた指が遠慮がちに重なっている。

「おとうさんみて!くるま!!」
 小さな丸い車のおもちゃを手にした英悟が転がるように駆け寄ってきた。
 それを抱え込むように膝に座らせる。茜が椎多のシャンパングラスをどかしてサイドテーブルの上に置いた。

「それも、おとうさんの、プレゼントだ。気に入ったか?」

 おとうさん、というところを少し強めに言う。
「うん!かっこいい!」
 ぶうぶう、と言いながら椎多の脚から床へ、そして茜の脚に車を走らせる。
「あかね、かっこいいでしょ!」
「英悟ー、あかねせんせい、でしょ?」
 遠くから青乃が声をかける。英悟は今度は声の主のところへ駆け出して行った。


「4歳児に舐められてるな、茜」
「困ったな、舐められてますね」

 そういえば自分も、ほんの幼い頃から紫のことをずっと呼び捨てにしていたな、と思う。

 なんだろう──
 失ったものたちを思い出すことが辛くて、ではない。
 自分の罪に押し潰されそうで痛いわけでもない。


 ただ──
 涙が出てきた。

 茜がそろりと椎多と触れるほどの距離に詰めて座り直す。そして左手で椎多の右手をとり、自分たちの身体の後ろでぎゅっと握った。


「言ったでしょ、椎多さんのクリスマスには俺がいるよって」
「おまえさ……」

 涙を隠すように、空いている左手で頬杖をつき指でこっそりと涙を拭う。

 椎多の右手を茜の暖かい掌が包んでいる。

 この掌にべっとりとこびりついた血を、次々と別の血で上塗りしていった。

 この手がどんなに汚れていようと、茜はかまわずこうして温めてくれるのだろう。

 こびりついてどうしても落ちなかった無数の血を、この温度で溶かすように。

 

 誰ひとり俺を許さなくても。

 茜だけは赦してくれる。

 それだけで、俺は──

 これからも、生きていける。

 右手を包む茜の手を、椎多は一旦解いて、そして握り返した。

 

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*Note*

この話そのものは、長く更新をサボる前に書いた話がベースになっています。HDDクラッシュの悲劇に見舞われ、最初に書いた文はもう存在しないので記憶とあとは現状の展開に合わせて調整して書き直した感じです。

作者的に色んなものを整理し始めている感は否めないんですが、次から言わば最終章(?!)みたいになります。

​いやまあどうせ一旦最終回を迎えても「昔日」的なやつとかサブキャラのスピンオフとかどんどん書くとは思うけど、それでもなんとなく「最終回」へのモチベーションが上がってきてるんだ。うん。

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