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有 姫

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 有姫は退屈していた。


 老舗料亭の次男坊である夫は、新規事業を立ち上げるために国内海外問わずあちこちへ出張に次ぐ出張に出たきりもう半年ほどろくに帰ってきていない。いつ帰ってくるかも知らない。帰ってきたところで毎日深夜に帰宅し早朝には出かけるのでたいした会話も出来ないしそうかと思えばまたすぐ長い出張に出かけてしまうのだ。結婚して数年経つが共に過ごした日数は百日にも満たないのではないかと思う。恋愛中のほうが毎日のように顔を見ていたのに。

──ああ、つまらないわ。

 もともと夫の実家の料亭で仲居として働いていたのだから、また手伝わせて欲しいと申し出たもののやんわりと断られた。

 こんなに暇なのだから家事は自分でやりたいとも思うが、夫が気遣って雇ってくれた家政婦がそれはそれは手際がよく優秀なので自分が手を出そうとしても逆に足手まといになりそうで気兼ねしてしまう。

 庶民育ちの自分にはそんなのは贅沢な悩みだということはわかっているのだ。でも、馴染のない階級の暮らしを当たり前に受け入れるのもそれはそれで気苦労が絶えない。

 稽古ごとやスポーツやショッピング、同じように金と暇を持て余した夫人たちと旅行にいったりもしたがどれも飽きてしまった。

 そもそも、あのご夫人たちとはどうも仲良くなれない。彼女たちはみな出自も裕福で家柄のよいお嬢様育ちだったが有姫は下町出身で、どうも一段下に見られているような気がしてしかたないのだ。被害妄想かも、とも思うが、会話の端々に意識的か無意識的かそれが透けて見えている。


 ふとわきを見ると、サイドテーブルに華やかに飾られた封筒が置かれていた。ぼんやりしている間に優秀な家政婦がそっと置いていったのだろう。


 開封するとパーティの招待状だった。
 

 溜息をついて有姫はそれを開いたままサイドテーブルに投げ戻す。パーティとはいっても遊びではなく夫の代理で出席しなければならない、仕事のようなものだ。

 マナーはもちろん、話し方や話す内容、スタイリングにメイク、立ち方歩き方の姿勢に至るまで一切気を抜くことは出来ない。考えただけで憂鬱になる。

 あれをしなければならない、あれはしちゃならない。覚えることが多すぎる。自慢じゃないけどあたしは勉強が大の苦手だった。これでも相当頑張っている方だと思う。

 でもちょっと待って。

 あたしは結婚して、何になったんだろう。

 夫にとってあたしって何なの?

──いっそ、誰かあたしを攫いに来てくれないかしら。

 

 もしもあたしが浮気して失踪でもしたら夫はどんな顔をするだろう。

 烈火のように怒るだろうか。そういえば夫が怒っているところを見たことがない。

 戻ってくれと泣いて縋られるだろうか。これだけほったらかしにしていてもまだ以前と同じように愛してくれているというなら。

 

 空想するとなんだか楽しくなってきた。
 有姫は、さきほどの招待状を再び拾い上げると今度は隅から隅まで目を通し、あの優秀な家政婦を呼んで出席の返事を出すよう伝えた。

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 子供の頃はこんな世界があるということも知らなかった。

 夫と初めて出会った時には、どこか別の世界から来た王子様のように思えたものだ。もっとも彼の実家の料亭で知り合ったのでイメージは「王子様」というより「若殿様」だな、とも思う。

 その若殿様だか王子様は有姫をこの世界へと連れてくるなり仕事が忙しくて出たきりになってしまった。憧れの新婚でラブラブな生活を満足に送れた記憶がない。

 それでも、夫に恥をかかせてはいけないと思って有姫は懸命にこの世界のしきたりやルールをごく短期間に覚えたのだ。覚えるのと馴染むのは別だったけれど。
 

 この日も、有姫は招待客の中に夫の旧知の夫妻を発見し、胸をなでおろしていた。
 浮気相手でも探してやろうと思って来た癖に、知人の姿を探してしまっていたことに気づくと有姫は失笑した。

──あたしも、小心者だわ。

 自分にがっかりしていて、話し掛けられた声を聞き逃しそうになり少し慌てる。
「有姫さん、あの男性を知っている?」
 夫の友人である紳士は、少し離れたところで数人の人間に囲まれている若い男を示した。有姫の知らない人間だ。
「あなたのご主人の仕事にも必ずどこかで関わってると思うから、顔をつないでおいたほうがいいよ」
「あら、でも気をつけてね有姫さん。彼、女癖が悪いから」
 紳士が真面目な顔で話している横からその夫人が悪戯っぽく茶々を入れて夫に窘められる。有姫はこっそり溜息をついた。そういうことが煩わしくて本当はこういうパーティには出来るだけ出席したくなかったのだ。


 とはいえここで遠慮します、というわけにもいくまい。仕方なく夫妻に促されて件の男の前に出た有姫はおずおずと頭を下げた。紹介されると男はああ、と大きく頷いて満面笑みを浮かべた。
 その笑顔がどことなく無邪気に思えて、少し緊張が緩む。


「ご主人にはお世話になってますよ。嵯院といいます、よろしく」
 

 少し大げさに、恭しく礼をする。優しそうな人だ、とひと安心してあらためて自己紹介すると、嵯院は意味ありげな──もっとも、有姫はそれには気づかなかったが──視線を投げた。
「可愛らしいひとだ。彼が隠したがるのがよくわかりますよ」


──気障だわ。
 

 悪い気はしないが、その言い方に有姫は吹き出しそうになった。流石にこんなところで大笑いするわけにもいかず必死で抑えていると、笑いをこらえているのがばれたのか、嵯院はにやにやと有姫の顔を見つめている。と、背後から声を掛けられて嵯院は会釈するとその場を離れた。
「よかったらあとでゆっくりお話でも」


 にっこりと微笑んで去る嵯院の背中を見送っていると、たちまちあの夫人が小声でひそひそと囁きかける。
「今、誘われてたんじゃなくて?簡単についていっちゃ駄目よ、有姫さんたら世間知らずなんだから」
 温室育ちのお嬢様に言われたくはないわ、と内心思いながら有姫は首を傾げ、別に誘われたというわけじゃありませんわととぼけてみせた。夫人はあらそう、気をおつけなさいねと心配するふりをして醜聞を期待している。


 なんだかうんざりして、興醒めした気分になった。

 そんな有姫のもとに一枚のメモが届けられたのは、招待客たちがカードやビリヤードなどに興じ始めたころだった。

 メモに書かれた窓を見やると、送り主はバルコニーに出て煙草を吸っている。

 先ほど挨拶をした嵯院という男である。
 あの夫人の言葉が耳を掠めたが、少し肩を竦めてから有姫はそこへ出て行った。振り返ると男はまたにっこりと笑う。明らかに自分より年上だが笑顔はどこか子供っぽく可愛いらしくすら見えた。つられて緊張した顔が緩む。


「どう?楽しんでる?」
「……あんまり」

 

 つい口をついて本音がこぼれる。それを聞くと嵯院は吹き出して愉快そうに笑った。
「正直な人だなあ。そんなにつまらない?」
「……つまらないんです。今日だけじゃなくて毎日。夫の声も忘れそう」
 笑われてしまったのなら気取ってもしかたない、と思い有姫は愚痴をこぼした。嵯院は微笑んだまま黙って聞いている。彼は夫のことを知っていると言っていた。ということは夫が出張で飛び回っていることも知っているのだろう。時々そうですね、などと相槌を打っている。
「いっそのことあたし、浮気でもしてやろうかと思って」
 嵯院はそれを聞いて再び小さく吹き出した。


「──それは私を誘っているのかい?」
「え?」


 有姫にそんな自覚はない。が、言われてからようやくそうとられても仕方ない発言だったことに気づいた。嵯院はよほどおかしかったのか、くすくす笑いつづけている。
「いえ、あの、あの、そんなつもりじゃ」
「望むところですよ」
 今更ながら顔が紅潮する。なんてはしたないことを言ってしまったんだろう。まして彼は夫の知人なのだ。その気になどなられては困る。
「いえ、ええと、あの、あなたも奥様がいらっしゃるのでは……」
 しどろもどろになった有姫の言葉に一瞬、嵯院の表情が曇った。


「妻には、先立たれましてね」
 あ、と口をつぐむ。すぐにぺこりと頭を下げて謝ったが有姫は泣きそうな顔になっていた。
 それを見ると嵯院は少し意外そうに二、三度まばたきをして、もとの優しそうな笑顔に戻った。
「謝ることはないんですよ」
「でも……」
「優しいひとだね。きみのことをもっと知りたいなあ。場所を変えませんか?」
 どうやら気に入られてしまった。
「うちに招待しますよ。大丈夫、あなたの運転手には私がうまく言っておくから」
「いえ、あの、ちょっと待って下さい」
「それじゃ、また後で」
 押し切られた形になった。優しそうな顔をしてなんて強引な男だろう。


──彼、女癖悪いから。
 

 あの夫人の言葉が思い出される。

 しかしどちらかというと女癖が悪い、というより慣れているという感じだ。
 妻を亡くしたと言っていた。
 その寂しさを紛らわす為に次々と女性を替えているのではないかなどとも思えてくる。


──どうしよう。
 

 弱りきって考え込んでいると、ふと、あることに思いあたった。
 

──そうだわ、あたし今日は浮気でもしてやろうと思ってたんだ。
 

 手馴れた、女癖の悪い男なら浮気相手としてはうってつけなのではないだろうか。きっとあとくされも無いに違いない。
 いろいろと自分に言い訳をしながら、有姫は深呼吸をして息を整えた。

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「このことは口外しませんからご安心下さい」
 運転手が含みのある言葉を投げかける。あの男は言った通り有姫の運転手に既に手を回していたらしい。なんにせよ手際がいい男だ。有姫は赤くなったり感心したり呆れたりで忙しい。
 車が止まったのは見上げるような巨大な邸宅の前だった。


──うちの十倍くらいあるかも。


 自分の住む夫の邸宅も、有姫にとってはかなり広くて持て余しているほどなのにそんなものとは比較にならない。豪邸というのはこういうのを言うのだと思った。いや、むしろお城といってもいいのではないだろうか。これだけのお屋敷を維持するにはどのくらいの使用人が要るのだろう、だとか扉ひとつとっても何の必要があってこんなに大きいのだろう、などと思う。少し首を傾げて、我ながら庶民根性が抜けてないなあと妙に納得する。

 一足先に到着していた招待主が歩み寄ってきたのにも気づかないほど有姫はまじまじと扉を見上げていた。
 嵯院はまず有姫の運転手に近寄り、なにやら金を渡しながら小声で話している。運転手はひどく怯えた顔つきになって、そそくさと車を出し、いかにも一目散といった風情で退散していった。なにか脅されたのだろう。もっとも有姫にはそんなことに気づくほどの余裕はなかった。
「ようこそ」
 改めて礼をし、嵯院はその扉を押し開けた。
 どうやらかなり混乱しているらしい。

 有姫はここへ至っても扉が重そう、などということを考えていた。
 奥からメイドがひとり顔を出したが、それを下がらせて嵯院は自ら有姫を屋敷の中へと導く。

 中に入ると、コンセプチュアルな超一流ホテルのように、クラシックでありながら手入れが行き届いてぴかぴかのホールが拡がっていた。これは「玄関」などと呼んではいけないな。

 

「ここは昔の華族の屋敷だったものを私の父が買い取ったものでね」
 きょろきょろと建物の内装に目を奪われている有姫に気づいたのだろう。嵯院は笑って言った。

「こちら側は増築した新しい棟。内装はオリジナルに寄せているけどまだ築20年くらいじゃないかな」
 妙に感心しながらその声を聞いていると、なぜ自分がこんなところを案内されているのかうっかり失念しそうになる。
「どうぞ」
 ある一室へ通されて、やっと有姫は我に帰った。
 とたんに心臓が早鐘を打ち始める。ソファに座らされ、嵯院が何か飲む?などと訊ねても返事もできない。クラシックで可愛い応接セットの置いてある部屋の奥に二枚もの両開きの扉があり、それは開け放たれていた。奥に、大きなベッドが見える。

 こういうのをどこかで見たことがある気がしたが、夫との新婚旅行で泊まった一流ホテルのスイートルームがちょうどこんな感じだった。

 ここ、この人の自宅ではなかったかしら?もしかしてホテルなの??

 混乱してまだ思考がすぐ迷子になる。ようやく思考の目的地にたどり着いてもそこにあるのは最終問題だった。


──どうしよう。
 

 ここまで来てしまってから、有姫は少なからず後悔していた。
 有姫は、今まで夫としか恋愛したことがない。男も夫以外は知らない。寂しいという以外夫に不満などないのに、迂闊に浮気してみようなどと思ってしまった自分が馬鹿に思えてきた。
「有姫さん」
 優しい声に我に帰ると、嵯院はソファの脇に膝をついて、有姫の顔を覗き込んでいた。微笑んでいる。
「後悔してる?」
 思わず肩が上がってしまった。頭がくらくらする。きっと化粧の上からでもわかるほど真っ赤になっているのだろう。
 嵯院の手が優しく有姫の頬を包んだ。暖かい。
「私がこわい?」
 有姫は小さく首を横に振った。この男は強引だけど優しい。怖くはなかった。ただ、浮気をするということに腰が引けてしまっただけだ。しかし、嵯院の表情を見て有姫の背中につっかえ棒のように固まっていたなにかがふわりと溶けていくような気がした。


──このひとも、寂しいんだわ。
 

 まだ心臓は外からわかるほど波打っている。それを内心叱りつけながら有姫は目を閉じた。
 耳元に唇のあたる感触がした。びくりと小さく身体が震える。手に導かれるままソファから立ち上がると、間近に体温を感じた。うなじのあたりからそれが直接伝わる。触れられた場所に火がついたように熱い。
 パーティ用のカクテルドレスの、肩紐がそっと滑り落とされた。


「──奥様って、どんな方だったんですか?」
 

 あたしはこんな時に何を言っているのだろう。
 嵯院の手が、ぴたりと止まった。

 

「嘘だよ」

 

 堅く瞑った目がとたんに見開く。耳を疑った。
「──嘘?」
「妻は生きてるし元気でぴんぴんしてるよ」


 嵯院はくすくす笑い始めたかと思うとしまいには堪えきれずに爆笑しだした。


 有姫には言葉もない。
「社交界で私の妻のことを知らない人がいるとは思わなかったよ。可愛らしくて世間知らずなのは結構だけど少しは人の噂話にも耳を貸したほうが身のためじゃないかい?」


 嵯院はまだ笑っている。


 有姫は顔を──先ほどまでとは違う理由で──真っ赤にして、下げられた肩紐を慌てて元に戻しただ立ち尽くしたまま小刻みに震えていた。

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「彼女のご主人って男は実は若い頃の悪友でね」


 ワインを口に運びながら嵯院は言う。
 

「去年だったか仕事で久しぶりに会ったんだが、昔はともかく今はそれはそれは馬鹿がつくほど誠実で仕事熱心。今もうちの人間と一緒にあちこち飛び回っているんだがそれによると半年以上奥方とまともに会うことも出来ずにいるくせに女遊びのひとつもしないそうなんだ」
「まあ、素敵。どこかのどなたかに爪の垢でも煎じて飲ませて差し上げたいわ」


 テーブルをはさんで青乃は微笑んだ。一見平和な夫婦の食事風景だ。嵯院は苦笑して続ける。
 

「……なのに彼女が浮気でもしてやろうか、なんて言い出したものだからちょっとお灸をすえてやろうかと思ったんだよ」
「それで?」
「それだけだよ。そのまま帰してあげたのさ」
「嘘」
 口に運んだ食事を上品に飲み下すと、青乃はさらににっこりと微笑む。

「あなたがそのまま何もしないでご婦人を帰すわけがないでしょう。怒らないから本当のことをおっしゃい」
「だから本当に帰したんだって。彼女に手を出したりして彼女の夫をキレさせてみろ。半殺しじゃすまない。それはごめんだ」

「あら、あなたに恐いものなどおありなの」
「危険なものを適切に恐れることが正しいリスク回避ってもんだろう──おい、俺は今回すごくいい人だったんだぞ。なんでそんなに責められなきゃならないんだよ」


「誰が誰に先立たれたのですって?」


 ワインを吹き出しそうになった。気管に入って激しくむせ返る。
「ど、どうして──」
「わたくしの手足や耳目になる人間が何人いると思ってらっしゃるの?」
 ナプキンで口元を拭いつつまだ咳き込みながら、嵯院は部屋の隅に控えているKを睨みつける。
「K──裏切ったな」
 Kはそ知らぬ顔で目をそらした。あのパーティに同行していたKが告げ口したに決まっている。
「あなたがご婦人を誘う手口がこれでわかりましたわ」

 気味が悪いほどにこやかな顔の青乃のテーブルにはすでにデザートが運ばれていた。

 

どうせ、やっぱりあの時殺しておけば良かった、なんて思ってらっしゃるんでしょう?お生憎さま」


「──わかった、降参する。悪かったよ」
 ついに嵯院は両手をあげて天を仰ぎ、大きく息を吐く。それを見て青乃は満足げに微笑んだ。

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 有姫は自室で毛布にくるまって動けずにいた。恥ずかしくて穴があったら入りたい。

──ひどい人。騙して、あんなに笑うなんて。
──早く帰ってきて。

 

 一刻も早く夫に会いたい。何があったかなど口が裂けても言えないけれど、とにかく夫に会いたい。
 もう二度と、浮気してみようだなんて考えない。

 寂しくても退屈だなんて贅沢な不平など言わない。だから。

──お願いだから、今すぐ帰ってきて。そして、あたしを抱きしめて。

 

 車の止まる音。玄関の扉を開ける大きな音。階段の足音。肝心の有姫を呼ぶ声。
 頭の中で夫を呼ぶ声が大きすぎて、それらが有姫の耳に届くまでもう少しの時間が必要だった。

                                          *the end*

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ガラスの瓶での花

*Note*

この「告白」という章は書き始めということもあって、バラバラと書いたものをあとでまとめたので書いた順番にはなってなかったりします。

実はこの中で一番最初に書いたのはこの「有姫」で、完全にTUSの番外編的に書いたもの。だから実は「TUS」を読んでないとわからない状態になってたりする。 「TUS」のsin.coバージョン(Re:TUS)が完結するまでお待ちください(?)

 この「有姫」という話の中で出てきた彼女の夫というやつが、まさかシリーズの重要人物になるとは思っていなかったのですが、ちょっとした思い付きでその後書いたのがこの次の「失楽園」。 中年不倫男女がエッチしながら心中する話とは無関係です念のため。

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